サイレント・マニピュレーションとは、エコーを使用して頸部の神経に局所麻酔を行います。15分程度すると麻酔が効き、腕の感覚がなくなります。その状態から、腕を必要な方向に動かし癒着している組織を剥がしていきます。(感覚がないため痛みも感じません)
剥がれる際に、バキバキと剥がれる音がします。
治療の目的
肩関節周囲炎などの診断で内服や関節内注射、リハビリなどの治療を行っても、関節の固さや痛みが完全に改善しないことがあります。
特に関節の固さは短期間に形成されたものではなく、痛みのために動きを自然と制限していた時期が長かったため、関節の柔軟性が失われ固くなってしまったものです。関節の柔軟性が失われるというのは、肩関節を包んでいる関節包という組織が、長い間動かさなかったために、縮こまって固まってしまい、周りとくっついてしまった状態のことです。(癒着)
この状態を拘縮肩・凍結肩などと呼びます。このような固まってしまった肩に対してとても有効な治療手段となります。
治療の流れ
まずベッドに横向きに寝ていただき、超音波エコーを用いて神経血管を確認しながら、処置を行う側の首に針を刺し、神経周囲に局所麻酔剤を注射します。約15分後に上肢の感覚なくなっていることを確認し、腕をゆっくりと全方向に動かして固まっている組織を剥がして、肩関節の動きを取り戻します。動きが改善したことを確認した後に、関節内に鎮痛剤の注射を行い終了となります。
※サイレント・マニピュレーションを行うには時間を要するため混雑している際は、当日に行えない事があります。その際は、こちらから日時を指定させていたことがございますのでご了承下さい。