頚椎症性神経根症とは、神経根が圧迫されて、首、肩、腕、手に痛みやしびれなどの症状が起きる病気です。頸椎には7個の骨があり、これらの骨が積み重なった構造になっています。骨の内側には脊柱管という脊髄(頚髄)が通るトンネルがあり、その頚髄から枝分かれした神経根(神経が脊髄から枝分かれしたすぐそばの部分のこと)が圧迫されることで痛みやしびれが生じます。
■症状
頸椎症性神経根症は、手先の痛みやしびれ、首の動かしにくさが症状として出現します。また、症状が強い場合には痛みやしびれだけではなく、末梢部位の感覚まひなどを引き起こすこともあります。症状が強くなる態勢としては、首を上に向ける動作が挙げられます。これは頸椎を後ろに反らすことで神経の圧迫が強くなるためです。症状を訴える人の中には上肢が自由に動かせなくなったりして、手に力をいれることが難しいという症状が表れる人もいます。その場合には、神経根の圧迫によりまひしてしまった筋肉が萎縮してしまうため、迅速な治療が必要です。
■発症原因
加齢に伴う頸椎の変形で、普段の姿勢の悪さなどの生活習慣も病気の発症の要因となることがあります。例えばスマートフォンを使用する際に不適切な姿勢を続けることで首への過度の負担をかける、パソコン画面を使用する際に首を反らせて長時間使用する、などが挙げられます。
■治療手段
頚部の安静(頚椎カラーで頚部を固定することもあります)と内服薬、リハビリを処方します。
内服薬で改善しない場合は、頸部にブロック注射を行う場合もあります。
当院のリハビリでは理学療法士により頸部・頸部以外からの影響を取り除き症状の改善を促します。又、治癒促進のため干渉波低周波治療機器や頸椎牽引、アクアタイザーなども併用していきます。
【干渉波低周波治療機器】
【牽引機器】
【ウォーターベッド】
しかし、症状がひどく筋力低下や筋委縮が著しい場合や治療してもなかなか良くならない痛み・しびれがあるような場合には、膨隆した椎間板や骨棘を切除して神経根への圧迫を解除するための手術が行われることもあります。