野球肩とは、投球動作に関連して発症する肩障害の総称です。肩を使いすぎることによって発症するケースが多いとされています。
野球肩は、インピジメント症候群、上腕骨骨端線障害(リトルリーグショルダー)、関節唇損傷、動揺肩など複数の病気を含む疾患概念です。
肩の安静を保つなど保存的な治療で改善する場合もありますが、手術が必要となることもあります。
■種類
①インピンジメント症候群
上腕骨(じょうわんこつ)の先端が肩峰(けんぽう)や烏口突起(うこうとっき)などに衝突して、炎症や損傷を起こす症状です。野球以外にもテニスなど、肩よりも腕を高く上げる動作が繰り返されることで発症します。肩を上げていくときに、ある一定の角度で痛みや引っ掛かりを感じ、それ以上腕を上げられなくなるのが特徴です。
②上腕骨骨端線離解
成長期の選手に多発する投球障害のため、リトルリーグショルダーとも呼ばれます。成長期の骨は大人に比べて強度が低いため、オーバーユースにより上腕骨の骨端線(成長線)に離開が生じます。主な症状は、投球直後の鋭い痛みです。放っておくと、成長障害が起こる可能性があります。
③肩板損傷
棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の4つの筋肉の腱の部分が集合したものを腱板といいます。腱板損傷とは、肩関節と腱板が衝突して起こるケガです。過剰な肩の回旋運動によって生じます。痛みで腕が上がらなくなったり、痛みで眠れなくなったりします。
④肩甲上神経損傷
フォロースルーのように腕を振り下ろす動作をしたときに、肩甲上の神経が締め付けられ、痛みやしびれ、疲労感などが生じる障害です。テニスやバレーボールなど、野球以外のスポーツでも起こります。
■症状
野球肩では、肩の痛みが生じ投球動作がうまくできなくなります。肩の痛みは特定の姿勢、動作をとることで増強することもあります。また、肩が腫れることもあります。
成長期のお子さんに野球肩が生じると、腕の成長障害をおこすこともあります。また、リトルリーグショルダーにより成長軟骨が障害を受けると、成人期になってから両上肢の長さに差が生じてしまうこともあります。
■発症原因
野球肩は、肩関節を構成する腱けんや筋肉などが、ものを投げる動作によって障害を受けることを原因として発症します。
野球肩にはさまざまな病気が含まれますが、成長期にあるお子さん特有の病気として、リトルリーグショルダーと呼ばれるものがあります。
この病気は、腕を伸ばす動作に関係する上腕骨の成長軟骨が、投球動作によって損傷されることが原因で発症します。
また、大人になってから発症しやすい病気として関節唇損傷が挙げられます。関節唇損傷は、肩周りの腱や筋肉、靭帯じんたいなどが損傷を受けることで発症します。
その他、野球肩に含まれる病気として、インピジメント症候群があります。肩関節には回旋腱板かいせんけんばんと呼ばれる腱がありますが、この腱は肩関節の安定性を保つのに重要なものです。しかし、投球動作を繰り返すことによって、腱板が骨にはさまれ・こすれて炎症が惹起されると野球肩の症状が出現します。
症状
■治療手段
・炎症や痛みを抑えるお薬や湿布を処方します。
・理学療法士によるリハビリを行います。
当院、理学療法士によるリハビリは肩や肩以外か らの原因を取り除き、痛みの緩和、肩の可動域を向上させます。必要に応じて、投球動作指導も行います。又、治癒促進のため、干渉波低周波治療機器を併用して回復を促します。
【干渉波低周波治療機器】