単純性股関節炎

単純性股関節炎は、小児の股関節痛の中でもっとも頻度が高い疾患です。
発症年齢はほとんどが3~10歳(平均5~7歳)で、男の子に多く見られます。
整形外科では、日常よく見られる疾患でそれほどめずらしいものではありません。
何らかの原因で股関節に炎症が生じ、関節液が過度にたまる一過性の股関節炎です。股関節をおおっている関節包が強く緊張するため、股関節の動きが悪くなり、動くと痛みを感じます。
単純性股関節炎


■症状
比較的急に股関節、大腿部、膝の痛みを訴え、痛くて歩けなくなったり、痛みのために脚を引きずるような歩行(跛行)になります。疼痛のため股関節の動きに制限を生じ、安静時には股関節屈曲、内転、内旋のポジションをとることがあります。

■発症原因
上気道感染(風邪)や、運動・スポーツを含む軽微な外傷を契機とすることが多く、股関節から膝にかけての痛みがあり、痛みによる跛行、運動時痛や股関節の動きに制限がみられます。

■治療手段
一般的に良好で、保存療法で十分であり通常1~2週間の安静で自然治癒します。できるだけ、立つこと・歩くことを制限します。
通常1~2週間程度の安静にて治癒しますが、場合によっては1ヵ月近く長引くこともあります。
痛みに応じて、内服、湿布を処方します。
当院では、股関節や股関節以外からの影響による負担の軽減やストレッチ指導、筋力トレーニング指導、セルフエクササイズ指導など理学療法士によるリハビリを行っていきます。
また治癒促進として、超音波治療機器、低周波治療機器(電気治療)の使用を併用していきます。
【超音波治療機器】
【干渉波低周波治療機器】

痛みがあるうちは安静にすることが最良の予防法です。スポーツはもちろん登園や通学も控え、休ませることが大切です。日常生活においても、股関節から膝関節にかけて負担のかかる動作は避けましょう。

© おおつ整形外科 All Right Reserved.